※実際の事例を題材としていますが、個人情報保護の観点から変更を加えています。また、費用や期間についてはあくまでも個別のものであるため、類似のケースでも金額は異なる場合があります。
①お客様の状況
■60代男性。未婚、独身で家族は兄妹のみ。
■過去に大きな病気を患い、また独り身のため将来の生活に不安があるということで、当事務所にご相談をいただきました。ご本人のご要望としては、次の2点を挙げられておりました。
1,兄に財産管理を任せ、生活をサポートしてもらいたい。
2,財産を兄に承継させたい。
②当事務所からの提案および組成内容
お客様が家裁の監督が入ることを極度に嫌がっていることから、家裁の監督が不要である家族信託を提案いたしました(委託者兼受益者をご本人とし、受託者を兄とする。信託財産は預貯金のみ)。
また当事務所からは家族信託の組成に加えて、以下の理由から「任意後見と遺言の併用」を提案させていただきました。
■家族信託でも出来ることに限界がある(身上監護など)
→予防策として任意後見を併用する
■財産をすべて兄に承継させたい
→信託外の財産については遺言を作成し、兄へ財産を承継させる
<ポイント>
今回のケースでは、親類が少なく、信託に関われる人数に限りがあるため、受益者と受託者の間での利益相反が問題になりえます。そこで、受益者代理人として当事務所が入ることにより、受益者の利益を守るスキームとしました。
③かかった費用や期間
■費用:信託組成報酬65万円、任意後見12万円、遺言4万円 ※別途受益者代理人への報酬として月額1万円
■期間:約3か月
