教えて!サポートさん

【クリックすると拡大されます】

第6回 認知症と成年後見制度④ -後見制度の注意点 その2-

②成年後見にかかる費用

サポートさんサポートさん

次に、費用についてです。申立ての際にかかる費用としては収入印紙や切手代などがありますが、およそ1万円前後となっています※1。初期費用は、それほど高額ではありません。
問題なのが、成年後見人への毎月の報酬です。報酬の支払いは法律で決まっているわけではないのですが※2弁護士や司法書士といった専門家が成年後見人になった場合、毎月の報酬を支払うことが一般的です(裁判所が報酬の支払いを決定します)。
報酬の額は本人の財産額により異なりますが、原則として月額2~6万円となります。たとえば報酬が月額2万円の場合、年間で24万円、仮に10年だと240万円ということになります。
※1 この他に医師の診断書作成費用がかかり、また場合によっては別途医師の鑑定費用がかかることがあります
※2 民法の条文上は「家庭裁判所は被後見人の財産の中から(中略)相当な報酬を後見人に与えることができる」とされています

信子(母)信子(母)

結構な金額になるのね…。でも、凍結された口座から預金を引出してもらうことが目的なんだから、無事にお金をおろせればあとは成年後見の必要はないわよね?10年も続くことなんてないでしょ?

③成年後見が続く期間

サポートさんサポートさん

いえ、実はそういうわけにもいかないんです。確かに申立ての理由が預金引出しだったとしても、成年後見の目的はあくまでも本人の支援という点にあるので、支援すべき状況が続いていれば成年後見は終わらないんです。

頼子(長女)頼子(長女)

どういうことなの?

サポートさんサポートさん

判断能力がなくなったことにより成年後見が開始したということは、判断能力が回復しないかぎりは成年後見も続くということです。つまり、認知症になった方が日常生活において法定後見の必要がないぐらいまでに回復すれば成年後見を終わらせることはできますが、現実的にそのようなケースは考えにくいですよね…。
そのため一度開始した成年後見は、基本的に本人が亡くなるまで続くと考えてください

今回のまとめ
ポチ(柴犬)ポチ(柴犬)

成年後見人制度の注意点をまとめると、以下のようになります!

  • 相続税対策や本人資産の柔軟な運用が難しくなる
  • 毎月の費用がかかる
  • 基本的に、本人が亡くなるまで続く

話し出すと止まらないご主人様、成年後見制度の説明に4回も費やしてしまいました!次回からは、いよいよ(やっと)家族信託のお話をしていきます!

【成年後見人の報酬に関する東京家庭裁判所のめやす】
ポチ(柴犬)ポチ(柴犬)

下にあるのは成年後見人の報酬に関する東京家庭裁判所のめやすです!参考にしてみてください!

【クリックすると拡大されます】

※本記事は掲載当時の法令等に基づき作成しております。また実際の金融機関等の対応は、個別事情などにより異なるケースがあります。