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第22回 受益者代理人について詳しく
受益者代理人って？
サポートさん今回は「受益者代理人」についてです。
【クリックすると拡大されます】サポートさん受益者代理人とは、その代理する受益者のために受益者の権利を行使する人です。
信子（母）読んで字のごとく、という感じだけど、受益者代理人は何のためにいるのかしら？
サポートさん受益者代理人を選ぶ目的は、受益者の保護と信託事務の円滑化です。
サポートさん例えば、受益者が重度の知的障害者・認知症患者であるなど十分な判断能力をもっていない場合や、受益者が多数いたり頻繁に変動するといった場合、受益者代理人を選任することが考えられます。
なぜなら、上記のようなケースでは、受益者の権利行使や意思決定がスムーズに行われず、受託者の信託事務に支障が出るリスクがあるからです。
しかし、受益者代理人に受益者の権利行使を集中させることで、信託事務の停滞を防ぎ受益者の権利を守ることができるのです。
受益者代理人の権利
頼子（長女）受益者代理人は具体的にどんなことをするんですか？
サポートさん「信託財産から生活費の給付を請求する」
「信託財産である賃貸物件の賃料給付を請求する」といったことを、受託者に対して行います。
サポートさんつまり受益者代理人は、本来であれば受益者本人が行う行為を、受益者に代わって行うんです。
法律的には、受益者代理人とは「受益者に関する一切の裁判上または裁判外の権限を有する」者となります。
サポートさんまた、受益者代理人がいる場合、受益者は「受託者を監督する権利」と「信託行為に定めた権利」を除き、受益者自身はその権利を行使することができなくなります。
頼子（長女）そうなんですか？受益者代理人の権限って、強いんですね…
サポートさんそうですね、受益者代理人は受益者の後見人のような立場、といえるかもしれません。
受益者代理人の資格
サポートさん未成年者・成年被後見人・被保佐人・当該信託の受託者などは受益者代理人になることはできません。それ以外の者は、個人でも法人でも、受益者代理人になることができます。
信子（母）なるほど、なら長女の頼子を受託者にして、長男の託朗を受益者代理人にするというのでもいいのね。
サポートさん法律的には問題ありません。
ただし先ほどもお話ししたように、受益者代理人は受益者の後見人的な役割を持っています。
そこで、受託者と意見があわず、対立関係になるということも場合によっては考えられます。
このようなことから、受益者と受益者代理人をそれぞれ委託者の子とする場合には、もちろんきょうだい仲にもよりますが、十分な検討が必要ですね。
ポチ（柴犬）次回は信託管理人・信託監督人についてお話しします！
※本記事は掲載当時の法令等に基づき作成しております。また実際の金融機関等の対応は、個別事情などにより異なるケースがあります。
