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第23回 信託管理人・信託監督人について詳しく

 

信託管理人って?

サポートさんサポートさん

「信託管理人」と「信託監督人」、今回は少し名前が似ているこの二つの登場人物についてです。

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まずは信託管理人ですが、信託管理人とは受益者が現存しない場合に、受益者のために受益者の権利を行使することができる者をいいます。

信子(母)信子(母)

受益者が現存しない場合って?

サポートさんサポートさん

例えば、受益者がまだ生まれていない場合です。以前お話ししたように、家族信託では必ずしも受益者が現存している必要はありません。将来生まれてくる子どもを受益者にすることもできます。このような場合に登場するのが信託管理人です。

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受益者代理人と同様、未成年者・成年被後見人・被保佐人・当該信託の受託者などは信託管理人になることはできません。

信託管理人の選任

頼子(長女)頼子(長女)

受益者が現存しない場合、信託管理人は必ずつけなけばいけないの?

サポートさんサポートさん

いえ、そういうわけではありません。信託契約で信託管理人になる者が指定されていれば、その者が信託管理人になります。
ただし、信託管理人として指定されていてもその引き受けは義務ではありませんので、就任を断ることもできます。


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また、信託管理人として指定された者が承諾しなかった場合や、そもそも信託契約で信託管理人の指定がない場合には、利害関係人の申立てにより裁判所が信託管理人を選任することができます。

信託監督人って?

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次に、信託監督人です。信託監督人は、受益者が現存する場合において、受益者のために受託者を監視・監督する者です。
例えば、受益者が高齢であったり未成年者、障がい者であるときなど、受託者の監視・監督が難しい場合に選任します。
信託管理人は受益者が現存しない場合、信託監督人は受益者が現存する場合に選任できるので、この点は注意が必要ですね。


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信託監督人の選任
サポートさんサポートさん

未成年者・成年被後見人・被保佐人・当該信託の受託者などが信託監督人になれないのは信託管理人と同じです。
また、信託契約で信託監督人になる者が指定されていれば、その者が承諾すれば信託監督人になります。
指定された者が承諾しなかった場合や、そもそも信託契約で信託監督人の指定がない場合には、利害関係人の申立てにより裁判所が信託監督人を選任することができるのも、信託管理人と同様です。

信託監督人の権限

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信託監督人の権限を法律的に説明すると「信託監督人は、信託行為に別の定めがある場合を除き、受益者のために自己の名をもって受託者を監督する一定の権利に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする」となります。
つまり信託監督人の役割は、信託事務が適切に遂行されているかを受益者に代わって受託者を監督する、ということです。

頼子(長女)頼子(長女)

信託監督人の具体的な業務って、どのような内容なんですか?

サポートさんサポートさん

受益者に対する財産給付(生活費や賃料収入など)が正しくされているかをチェックしたり、多額の支出や使途不明金などがないかといったことをチェックすることです。
そのために、定期的に信託用口座の入出金記録を受託者から定期的に開示してもらうことになります。
また信託監督人をつける場合、重要な財産の処分行為にあたっては信託監督人の承諾を条件とすることが一般的です。


※本記事は掲載当時の法令等に基づき作成しております。また実際の金融機関等の対応は、個別事情などにより異なるケースがあります。